技術者コラム

流体解析 乱流モデルの違い

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乱流モデルとは、CFDにおける乱流現象をモデル化し、計算負荷を低減するために用いられる手法です。モデル化手法が多々あり、評価内容や現象、計算リソースに適切なモデルを選択する必要があります。今回は乱流モデルの違いについて、円柱後部に発生するカルマン渦の解析を用いて確認してみましょう。

メッシュ解像度が十分な場合、乱流モデルを用いないDNS(Direct Numerical Simulation)を用いることで基礎方程式を解くことができます。 これは、流れに含まれる渦をすべて解像できるほどの格子サイズが必要となり、計算負荷が高くなります。

定常流れと見立てる場合は、非定常乱流を再現する必要はなくなるので、定常的な乱流現象をとらえられれば良いと考えられます。この場合はRANS(Reynolds-Averaged Navier-Stokes equations)を用いてモデル化された乱流現象を解くことになります。時間平均化された乱流の解き方ですので、乱流渦は再現が難しくなります。

非定常の乱流現象をDNSより計算負荷を低く計算したい場合はLES(Large Eddy Simulation)等のサブグリッドモデルを用います。格子で解像できる渦は直接計算し、格子で解像できない渦をモデル化することになります。RANSとは異なり、時間平均されないので、非定常の乱流現象を解析することができます。

円柱後部のカルマン渦はDNS、LES、RANSの順にはっきり確認できる結果となることがお判りいただけたと思います。

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