技術者コラム

メッシュサイズによる結果への影響 後編 : 細かくした場合

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流体解析を実施する場合は、解析空間を定義して計算モデルを作成しますが、メッシュサイズが細かいと計算時間が長くなり、メッシュサイズが粗いと妥当な計算結果が得られないという背反がみられます。今回はメッシュサイズを細かくしていくことによる計算結果の違いについて、円柱モデルを用いて確認してみましょう。

メッシュサイズがある程度細かいと流速場、圧力場ともにカルマン渦の様相が見られます。 右図をカルマン渦が確認できる程度のメッシュサイズと仮定して、メッシュサイズを細かくすると、どのような影響がみられるかを確認してみます。 以下、このメッシュサイズにおける計算時間を100、この時円柱にかかる主流方向の平均荷重を100として相対的な計算時間、荷重を記載します。

メッシュサイズを8倍程度細かくして解析をしてみました。円柱後部の流速分布の様相については、マクロ的な違いがみられませんが、細かい渦が見られたり、カルマン渦の境目がはっきりしてきました。 左図ではメッシュラインも表示しているため、流れが見えづらいほどのメッシュの細かさになっています。 この場合、計算時間は約253万程度、荷重としては約115でした。

メッシュラインを表示せずに比較しました。 右図の上側が基準、下側がが8倍細かくした場合の比較ですが、上述ようにカルマン渦の様相はマクロでは変わっていません。 しかし、メッシュサイズを細かくした場合、小さい渦の様相まで見えており、渦の境界がはっきりしています。

留意点として、メッシュサイズを細かくすれば良いということではないことを左のグラフにて示します。 横軸をメッシュサイズを変えた場合の計算時間、縦軸を円柱にかかる主流方向の荷重を示しており、基準の値を100として相対値をプロットしました。 計算時間が100以下のところでは荷重が過小評価されており、100を超えたあたりから変化が小さくなっています。 1000を超えてからは大きな差はありません。 メッシュサイズを細かくしすぎると計算時間が増加するのみで評価値自体は変わらずということがわかります。

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