技術者コラム

シミュレーション技術で挑む新規事業の現実5名の担当者が語る「理想と現実のギャップ」

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新規事業を成功させるためには何が必要なのか?シミュレーション技術は本当に農業の課題解決に役立つのか?多くの農業関係者や企業が抱くこうした疑問に対し、弊社の新規事業担当者との座談会を通して答えを探ります。若手就農家から大手企業まで、様々な立場の方々に向けて、農業DXの現実と可能性をお伝えする連載の第1回です。

実際の現場で何が起きているのか?
──5名の担当者が語る現実

農業、ドローン技術、気象予測など、多様な分野で新規事業に取り組む5名の担当者に、リアルな体験と想いを聞きました。

5人のエキスパートが挑む新規事業

インタビュワー
. 本日は、新規事業に取り組む皆さんにお集まりいただきました。新規事業を推進する中での課題や、シミュレーション技術がどのように社会貢献につながるのかについてお話を伺います。まずは自己紹介を兼ねてそれぞれの取り組みについて教えてください。 .

農業・ドローン担当
Aさん

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私は農業とドローン技術の両方に取り組んでいます。特に、ドローンを活用して農作物の健康状態をモニタリングするプロジェクトに注力しています。農業の効率化と持続可能性を高めるために、シミュレーション技術が大いに役立つと信じています。
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流体のエキスパート
Bさん

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私は気象予測に特化したビジネス企画を進めており、農業と気象の関連性を深掘りしています。
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ドローン推進者
Cさん

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私のチームでは、ドローンを用いた画像分析技術の開発を行っています。農業に限らず、他の分野でも使える技術を探求しているところです。
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リーダー
Dさん

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私は解析本部のリーダーとして、新規事業全般の統括を行っています。技術を活用して新しい価値を提供することを目指しています。
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システム開発担当
Eさん

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私はシステム開発を担当しており、異なる業界向けの新規事業を模索しています。データ分析やシミュレーション技術の活用が重要だと考えています。
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様々な役割を担う5人のメンバー

インタビュワー

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それぞれの役割について教えてください。
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リーダー
Dさん

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新規事業案件の営業担当として、全体の統括をしています。市場のニーズに応じた戦略を立てることが求められます。
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農業・ドローン担当
Aさん

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農業分野では、課題の収集や技術調査、ビジネスの検証を行っています。ドローンに関しては、画像分析やルート最適化技術の調査を担当しています。
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流体のエキスパート
Bさん

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私は気象予測に関するビジネス企画を推進しており、農業と気象を結びつけた新しいアプローチを模索しています。
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システム開発担当
Eさん

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私の役割はシステム開発で、特に新しい技術を実装していくことに注力しています。
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ドローン推進者
Cさん
. 私は新規事業の推進者として、プロジェクトの進行をサポートしています。チーム全体の協力を促進するのが役割です。 .

それぞれの道のりと新たな挑戦

インタビュアー

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それぞれの担当分野に取り組むことになったきっかけは何ですか?
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流体のエキスパート
Bさん

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気象災害の増加を背景に、流体解析を活かす企画を考え始めました。
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農業・ドローン担当
Aさん

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自ら提案した新事業がボツになったことがきっかけで、AIやデータ分析技術を活かすためのチームに参加しました。農業に関しては、生長シミュレーションに出会い、興味を持ちました。
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リーダー
Dさん

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新規事業創出活動のリーダーに任命されたことが始まりです。
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ドローン推進者
Cさん

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シミュレーション×ドローン技術の可能性に気付いたことがきっかけです。
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システム開発担当
Eさん

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TSは長年にわたって数値解析に取り組んできておりその強みが生かせるのではないかと考えたからです。
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技術で支えるそれぞれの情熱

インタビュアー

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担当分野でどのような社会貢献をしたいと考えていますか?
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流体のエキスパート
Bさん

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気象予測を活用して、農業者が的確な判断を下せるようにすることで、農業の生産性向上に寄与したいと思っています。
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農業・ドローン担当
Aさん

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地球温暖化の影響で農地の環境が変化していますが、シミュレーション技術を活用してその困難を克服したいです。また、少子高齢化による人材不足にも対応したいと考えています。
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リーダー
Dさん

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私たちの日常生活を支える人々が安全に楽しく働ける社会を実現したいです。
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現在進行中のプロジェクトと
期待される成果

インタビュアー

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現在進行中のプロジェクトについて、具体的な成果や期待される成果を教えてください。
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農業・ドローン担当
Aさん

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農業では、1年に1回しか栽培できない野菜・果物の育成条件をバーチャルで試すことで、栽培技術を加速させる予定です。ドローンでは、正常な画像のみで作成したモデルで異常を検知できる可能性を示しました。
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システム開発担当
Eさん

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展示会に出展し、顧客候補1社をアプローチ中です。これにより、新たなビジネスチャンスが期待できます。
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リーダー
Dさん

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シミュレーション技術の幅広い応用可能性を確認したことが、モノづくり以外の領域においても新たな可能性を示しました。
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変革を支えるシミュレーション技術

インタビュアー

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シミュレーション技術はどのような役割を果たしていますか?具体的な事例を教えてください。
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農業・ドローン担当
Aさん

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農業では、植物の生長を追うことで、経験的モデルよりも精密な予測が可能になる予定です。これにより、生産性を向上させることができると考えています。
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リーダー
Dさん

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気象予測データをダウンスケール解析に活用し、ビル風の影響を抑える対策に貢献しています。また、洪水被害時には被害予測にも利用されています。
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ドローン推進者
Cさん

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いずれの分野もまだシミュレーション技術が表に出ていないため、私たちが作り出す役割を果たすと考えています。
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新規事業への挑戦とその障壁

インタビュアー

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新規事業で直面している課題は何ですか?
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リーダー
Dさん

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農業ビジネスが儲からないというイメージが社内に根強いですが、世界に目を向けると人口増加に伴う食料需要の拡大や、スマート農業市場の急成長など、大きなビジネスチャンスがあります。
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農業・ドローン担当
Aさん

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農家は困っているが、投資する余力がない。だからこそ、初期投資を抑えながら段階的に導入できるソリューションや、成果に応じた課金制度などが必要だと考えています。
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システム開発担当
Eさん

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他社との差別化や、予算・リソースの確保が難しいです。特に新規事業に対する社内の理解を得るのが大変です。
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課題に立ち向かう姿勢と思い

インタビュアー

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直面している課題に対して、どのような気持ちを抱いていますか?
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農業・ドローン担当
Aさん

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農家の困りごとを解決したいというモチベーションはありますが、政治的な解決が必要だと感じることもあります。
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リーダー
Dさん

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社会貢献を掲げながらも、儲かるかどうかの質問攻めに違和感を感じています。
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システム開発担当
Eさん

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難しさを感じていますが、挑戦し続けたいと思っています。
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成功体験が開く次の扉

インタビュアー

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これまでの取り組みの中で、特に成功したと感じるエピソードを教えてください。
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農業・ドローン担当
Aさん

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展示会での画像による異常検知が大きな反響を呼びました。また、生長シミュレーションを通じて大学の先生との関係構築ができたことも嬉しい成果です。
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流体のエキスパート
Bさん

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自動車以外の分野での人脈が広がり、大学の先生とのつながりも増えていることが収穫です。
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システム開発担当
Eさん

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展示会に出展したことは非常に有意義でした。顧客からのフィードバックを得られたことが成功の一つです。
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新規事業がもたらす学びと成長

インタビュアー

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新規事業に参加することで、どのような学びや成長がありましたか?
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農業・ドローン担当
Aさん

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異業種ではIT化が進んでいないことを実感し、ビジネスになる可能性を感じました。また、異業種の方との交流が増え、知識が広がりました。
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リーダー
Dさん

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多岐にわたる市場を俯瞰して新規ビジネスを企画する能力が向上しました。
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未来への歩み

インタビュアー

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担当分野の今後の展望について教えてください。
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農業・ドローン担当
Aさん

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大学機関との共同研究を通じてシミュレーションの活用ニーズを見つけ、事業化を進めたいです。
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リーダー
Dさん

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小さな成功を積み重ねて、社内の信頼を得ながら事業化を進めていきたいです。
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システム開発担当
Eさん

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次回の展示会で注目を集め、顧客獲得につなげていきたいです。
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流体のエキスパート
Bさん

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協力先を集めて、地道に進めていく形になると思います。
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ドローン推進者
Cさん

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まずはPoCで顧客獲得に向けて良い提案をしていくつもりです。
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共に農業の未来を描きませんか?

5名の担当者が語ったのは、シミュレーション技術の可能性と現実の課題でした。投資余力の不足や技術導入の困難さといった壁がある一方で、展示会での反響や大学連携など、確かな手応えも生まれています。
次回からは「夢のバーチャル農場」というテーマで始まり、最新のDX事例、実際の解決策まで、農業の未来を変える取り組みを具体的にご紹介していきます。
就農家の皆様、農業関連企業の皆様、ぜひ一緒に農業の新たな可能性を探求していきましょう。

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