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【流体解析入門】混相流とは?CFDにおける解析手法(Eulerian/DPM/VOF)の違い

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「流体解析で混相流を解析したいけど、どの手法を使えばいいかわからない」「どう設定したらいいかわからない」 このようなご質問をいただくことがあります。 実は混相流と言っても、気体と液体や液体と液体、2つの相や3つ以上の相、相互の影響や関係性について手法を分ける必要があります。 今回は、混相流とは何か、そして代表的な解析手法(Eulerian/DPM/VOF)について説明し、それぞれの手法を使った場合の結果についてご紹介します。

混相流とは何か?

混相流とは、性質の異なる2つ以上の相(気体・液体・固体)が同時に存在し、相互に影響し合いながら流れる現象を指します。

流体解析の分野では、気液二相・液液二相・気固二相など複数のパターンが存在します。 流体解析で扱う混相流には、いくつかの組み合わせがあります。空気と水のような気体と液体の組み合わせは「気液二相流」と呼ばれます。水と油のように互いに混ざり合わない液体どうしの組み合わせは「液液二相流」です。また、固体と気体、固体と液体の組み合わせも広義には混相流に含まれます。

ただし、流体解析では固体を剛体として扱うことが多いため、気体一相と固体、あるいは液体一相と固体の組み合わせは、混相流として扱わないケースが一般的です。

混相流を解析するときに
気を付けるべきことは何か?

混相流を解析するうえで気を付ける必要があるのは、見たいものは何かということです。今回は「気泡塔」を用いて、各手法の結果がどのように違うかを紹介します。

なお、気泡塔とは液体が満たされたところに下側から気体を吹き込み、添加や混合、化学反応をさせる装置です。例えば、水の中に気泡がどのように分布しているかを見たい場合は分散混相流の「Eulerianモデル」を用います。細かい気泡がどのように動くか、液滴がどのように動くかを見たい場合は分散混相流の「DPMモデル」、気泡の大きさや気体と液体の境界面の形を正しく見たいということであれば分離混相流を用います。このように、見たいものによって解析手法を選択する必要があります。

分散混相流のEulerianモデルとは?

Eulerianモデルは、気泡塔の解析でよく使われる分散混相流手法です。液体を連続相、気体を分散相として解析し、大まかな傾向や平均場を見たい場合に用います。

下部から気体が流入し、上昇しつつ分散して広がっていく様相が確認できます。Eulerianモデルでは、分散相も連続体としてモデル化されます。

分散混相流のDPMモデルとは?

分散混相流のDPM(Discrete Phase Model)モデルは、気泡を粒子として計算する分散混相流手法です。細かい気泡の動きを見たい場合や、シャワーなどの液滴をモデル化する場合によく使われます。 これは前述のEulerianモデルでは分散相を連続体でモデル化していますが、こちらは個々の粒子でモデル化します。気体を粒子でモデル化しているため、最初から気体がまとまっておらず、細かい気泡が流入面から発生し、細かい気泡のまま上昇していく傾向が見られます。

分離混相流のVOFとは?

VOF(Volume of Fluid)は、気泡の境界面を正しく解析したい場合に使う分離混相流の代表的な手法です。小さな気泡を扱う場合は気泡を解像できるメッシュサイズが必要となり、計算負荷は高くなります。

Eulerianモデルでは気体が上部に上がるにつれ分散して気相率が下がり、見方によっては気体がなくなっているように見えますが、VOFでは気体がまとまって上昇するため細かく分離していく傾向が見られます。

三つの手法の結果比較

終わりに、それぞれの手法について結果を並べます。Eulerianモデルだと徐々に気相が減っていること、DPMモデルだと粒子に見立てた泡が上昇していくこと、VOFではまとまった気泡が分裂して上昇することが分かります。このように、何をどのように見たいか、評価したいかで手法を使い分ける必要があります。また、手法を間違えると見たいものが見られない状況になることがお分かりになったかと思います。

まとめ

ここまでお話させていただきましたが、改めてまとめます。

・Eulerianモデル:気泡の大まかな傾向や平均場を確認する。
・DPMモデル:気泡の動きを確認する。
・VOF:液体と気泡の境界面の動きを確認する。

混相流の解析を始めるときには、この違いを確認しつつ使い分けるようにしましょう。

次回は、分離混相流の代表的な手法であるVOF(Volume of Fluid)について解説します。

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