流体解析を実施する場合は、解析空間を定義して計算モデルを作成しますが、メッシュサイズが細かいと計算時間が長くなり、メッシュサイズが大きいと妥当な計算結果が得られないという背反がみられます。今回はメッシュサイズによる計算結果の違いについて、円柱モデルを用いて確認してみましょう。
メッシュサイズが十分に細かいと、流速場、圧力場ともに妥当な結果が得られます。
右図を適正な結果と仮定して、メッシュサイズを大きくするとどのような影響がみられるかを確認してみます。
流体が円柱にぶつかると、その後部にはカルマン渦による流速分布がみられます。
なお、この計算時間を100として相対的な計算時間を記載します。
メッシュサイズを2倍程度大きくして解析をしてみました。円柱後部の流速分布についてはおおきくは違いがみられませんが、カルマン渦の境目がぼやけた見え方になります。
マクロ的な評価をする場合は、この程度でも評価可能な場合があります。
この場合、計算時間は5程度です。
極端な例として、メッシュサイズを粗くした場合、カルマン渦が発生せず、分布も流れ方向に一様な流れとなっております。
この場合、マクロ的な流れも再現できておりません、メッシュサイズが大きすぎると考えられます。
この場合、計算時間は0.5程度です。
並べて比較しますとわかりやすいと思いますが、左上が細かいメッシュサイズ、右上が多少粗めのメッシュサイズ、左下が極端に粗いメッシュサイズです。
メッシュサイズを考慮する場合は、どの流体現象を再現させるかによりますが、
粗くすると評価ができない状態になりますが、細かくしすぎると計算時間がかかるので、妥当なメッシュサイズを設定する必要があります。
また、計算時間については、メッシュサイズを小さくすることで要素数が増加することに加え、計算の時間刻みを小さくする必要性があるため、指数関数的に増加していくことになります。