この記事の結論
•VOF法は、体積分率をもとに気液の境目である界面を推定する混相流解析の手法です。
•界面の捕獲精度はメッシュサイズに強く依存しており、メッシュが粗いほど界面がぼやけてしまいます。
•精度と計算負荷を両立するには、界面が生じる範囲だけメッシュを細かくすることが効果的です。
VOF法とは何か?
VOFとはVOF法(Volume of Fluid)という手法を使った混相流解析で、「法」を省いてVOFと呼ぶことが多いです。ここでは「VOF」で統一させていただきます。VOFは体積分率(Volume fraction)で相を分け、その相の間に気液の境目である界面があると推定します。界面とは、気体と液体の境目の面のことをいいます。
VOFを使用するうえで、度々いわれていることかと思いますが、重要なところはメッシュを細かくすることと、時間刻みを細かくすることです。ただ、メッシュを粗くするとどうなるか、時間刻みを粗くするとどうなるかについては感覚的な説明が多く、間違えると精度にどのような影響があるかは分かりにくいかと思います。
今回は気液二相の問題で波を模したものを題材に下記動画のメッシュサイズを基準として、メッシュサイズを粗くするとどうなるか、細かくするとどうなるかを実際の結果を見つつ紹介させていただきます。
メッシュサイズを粗くすると
界面はどうなるか?
メッシュサイズを粗くすると、界面の位置や形状がぼやけて判断がつきにくくなります。界面はメッシュ内の体積分率分布から算出される形をとりますので、捉える精度はメッシュサイズに依存するためです。
図に示したのはメッシュサイズ違いの結果で、基準のメッシュから段階的に2倍、4倍、16倍にメッシュサイズを大きくしたものです。コンター図の左側はメッシュラインを非表示、右側は表示しており、メッシュサイズの比較もしつつ界面の表示のされ方を比較しました。メッシュが粗いと、どこが界面なのかが判断付きにくくなることがわかります。また、界面の形も大まかなものとなっていることがわかります。この事例が示すのは、界面のとらえ方がメッシュサイズに依存するということです。理由としては、メッシュサイズが大きくなるとその大きさに伴い、体積分率の分布0〜1の間隔が広範囲になり、そのため界面の位置がぼやけてしまうからです。
メッシュサイズを細かくすると
界面はどうなるか?
メッシュサイズによって
界面の見え方はどう変わるのか?
VOF法でメッシュサイズを
検討する際のポイントは?
VOF法でメッシュサイズを検討する際のポイントは、界面を解像できる範囲でメッシュサイズを設定し、計算負荷とのバランスを取ることかと思います。改めてまとめさせていただきます。
•VOFを使用するときは評価可能なメッシュサイズで界面を解像します。
•メッシュ数が多くなり計算負荷が高くなる場合は界面が想定される範囲にメッシュを集めます。
今回はVOF法を使用して解析する際の界面捕獲精度とメッシュサイズの関係を示させていただきました。
次回はVOF法での時間刻みの影響について解説を予定しております。
よくある質問(FAQ)
Q. VOF法とは何ですか?
A. VOF法(Volume of Fluid)とは、体積分率で相を分け、その相の間にある気液の境目である界面を推定する混相流解析の手法です。
Q. VOF法で界面の捕獲精度に最も影響するのは何ですか?
A. メッシュサイズかと思います。メッシュが粗いほど体積分率0〜1の間隔が広がり、界面の位置がぼやけてしまいます。
Q. メッシュサイズを細かくすれば精度は上がりますか?
A. 界面の細かい部分ははっきりしてきますが、波全体の形はそれほど大きく変わりません。また細かくする分だけ計算負荷が高くなりますので、精度と計算負荷のバランスを考える必要があるかと思います。
Q. 計算負荷を抑えながら界面の精度を上げるにはどうすればよいですか?
A. 解析領域全体を細かくするのではなく、界面が想定される範囲にメッシュを集めていただく方法が有効です。